1.技術の概要
自動車等では軽量化のために鋼板の強度を上げて肉厚を薄くする傾向が進んでいます。
このような高強度の鋼板(ハイテン材)はマンガン等の添加物を多く含むが、これらの材料から出るプレスの端材等のスクラップが鋳鉄の主原料であるため、鋳鉄中のMn(マンガン)等の不純物金属の含有量が増加し、機械的性質(特に伸び)の低下、欠陥発生等、鋳鉄製造上の大きな問題となっています。
本技術は鋳鉄溶湯からこれらの鋳鉄製造上有害な不純物金属を除去し、鋳鉄の品質向上、原材料の確保に寄与しようとするものです。
この技術の基本は不純物金属の酸化除去であり、KS炉の技術(金属の還元)の逆になります。方法は還元と酸化という逆の技術ですが、KS炉での知見を応用したものになります。
この方法では下図のようにマンガン等の不純物元素の含有量を処理時間15分で半減することができます。
2.参考文献
鋳鉄中の不純物金属(マンガン等)除去技術
素形材 Vol58(2017)No.1 p6
不純物除去装置の実用化に向けた取組み
鋳造ジャーナル 2018.7