薄肉ダクタイル

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1.薄肉、軽量化の必要性

近年、環境保全気運が高まり、軽量化、省資源化を目的として鋳鉄からアルミ、樹脂等への材料変更が進んでいますが、リサイクル性を含めた環境負荷、経済性、強度等を考慮すればこれらの材料に比較してダクタイル鋳鉄の優位性は大きく薄肉化によって軽量化が達成されればそのメリットは大きいです。

2.薄肉化の問題点とKS炉を使用したその解決方法

(1) 湯回り
溶湯を鋳型中に流し込む際に肉厚が薄い(隙間がせまい)と、流し込んだ溶湯が鋳型内の空隙(製品の形状)を満たす前に凝固してしまい製品の形状が正確に出せません。
KS炉は精錬によって溶湯中の不純物を除去し清浄度が上がるため、湯周りが良く肉厚2㎜、長さ500㎜の板でも正確に形状が出せます。

(2) チル化
肉厚が薄いと鋳型中で溶湯が急冷されて早く凝固するため、凝固組織中にセメンタイト(鉄と炭素の化合物で非常に硬くて脆い)が析出し靭性が著しく劣化します。
この現象をチル化と呼びますが形状が出来てもチル化して靭性が劣化すると製品としては使用できません。
KS炉で精錬した清浄度の高い溶湯に特殊な処理を施すことで肉厚2㎜のダクタイル鋳鉄でもチル化を防止できます。(特許)

3.製品例


アルミ、樹脂、製缶品等からの材質変更で大きなコストダウンと環境負荷の低減が可能です。

4.参考文献

KS式電気炉溶解技術(PDF)

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